お年玉でお姉ちゃんを買ってみた
お年玉でお姉ちゃんを買ってみたはやや暴走気味な弟くんを持ってしまったがために、生活が大変なことになってしまったお姉ちゃん(晶)の物語です。
夏になってお年玉もほぼ使い果たしてしまったお姉ちゃん。
そこに弟のタクヤがお姉ちゃんの部屋にやってきて、何やら真剣な表情でお願いがあると言い出します。
「お年玉でお姉ちゃんを買いたい!」
いきなり何を言うかと思えば、アホすぎる申し出です。
しかしタクヤは本気らしく、お年玉を袋ごと差し出してきたのです。
いつもならおバカな弟の戯言と軽く流すお姉ちゃんですが、目の前にあるのは手つかずのお年玉。
このお年玉でちょっと買われてあげれば、楽してお小遣いが手に入るのです。
お姉ちゃんからしてみれば、下手にコンビニなんかでバイトするよりはるかに割りの良いお仕事なのです。
「いいわよ」
いかにも軽く応じたふりをしながら、頭をフル回転させるお姉ちゃん。
タクヤがお手軽にお姉ちゃんを買える値段にしないと、タクヤは乗ってきません。
かといって、安すぎるとお姉ちゃん側のうまみがなくなってしまいます。
結局、お姉ちゃんが出した結論は、1000円から。
ちょっと安すぎるかなという気はしますが、タクヤにお姉ちゃんは安いと思わせておけば、お年玉がある限り買ってくれる可能性が高くなります。
逆に高すぎると思われると1回限りで終わってしまう危険性もあるのです。
つまり、薄利多売にしておけば、タクヤのお年玉を全部むしり取れると踏んだのです。
この1000円という価格はタクヤにとっても適正な価格に見えたらしく早速交渉成立。
お年玉で飼われてしまうお姉ちゃんなんてちょっと情けない気もしますが、お姉ちゃんもタクヤもWIN-WINなので良しとしたのでしょう。
が、ここでお姉ちゃんはひとつだけ大きな間違いを2つおかしてしました。
1つはタクヤの欲望が底なしであったと言う事。
そして2つ目は、タクヤは意外なほどたくさんのお年玉を持っていたことです。
つまり、お姉ちゃんの値段設定が安めだったため、お姉ちゃんかなりの回数買う事ができてしまったのです。
このため、お姉ちゃんはいつでもタクヤに買われてしまい、勉強にも身が入らなくなってしまいます。
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